月と太陽(トパーズ作) 皆さん、こんにちは。 僕の名前は 月光 翼 高校三年生で野球部のキャプテンをしていた。 何故過去形なのか・・・・・・ 最後の甲子園で敗北してしまったからだ。 僕達は悔し涙を流し、後の事を後輩達に託して引退したんだ。 今はドラフト会議の真っ最中。 僕達はドキドキしながら見ている。 ??「翼!!指名されるといいな!!」 月光「そうだね。僕も君もやれることは全部やったからね。」 今話し掛けてきた赤色の髪の男子は 太陽 真 キャッチャ−をしている。 パワ−、肩、リ−ド。彼はこの3つが凄い。 ちなみに僕はピッチャ−をしている。 バッテリ−を組んでて幼馴染と言った関係だ。 周りからは「月と太陽バッテリ−」と言われている。 数時間後、僕達は二人揃って日本ハムに指名された。 指名された瞬間どんなに嬉しかった事か。 しかも二人揃って指名されたのだ。 これが「奇跡」というやつか? もしくは「腐れ縁」なのか? 数ヶ月して、僕達は北海道へ飛んだ。 日本ハムで一番輝いているのは、やっぱり新庄さん。 実力も人気も凄まじいのがこの人の凄い所だ。 いつかは僕もあんな風に・・・・・・・・・ 太陽「しかし、二軍からのスタ−トか・・・・・」 月光「まあ、当然だよ。僕達は新人だし・・・・」 矢部「それに二軍で活躍すれば一軍になれるでやんす!!!」 眼鏡を掛けている「やんす」口調の男は矢部君。 一応僕達と同年代で俊足の外野手らしい。 こうして、僕達のプロとしての人生が始まった。 2軍としてスタ−トした僕達だったが、1軍に上がるのにそう時間はかからなかった。 僕は2軍の試合で完全試合を果し、真は6試合連続HR。矢部君は盗塁を30も決めた。 この成績を見て、監督が僕達三人を1軍へ上げた。 最初は抑えで5セ−ブを果した僕だが、監督から「先発で出ろ」と言われて、僕はこの日先発投手として登板した。 この日の試合は、ホ−クスとの対戦だ。 初めは、柴原さん、川崎さん、松中さんの三人を三者凡退で抑えた。 一方、ファイタ−ズの打線は和田さんに見事に抑えられている。 このまま両チ−ムの打線が沈黙状態・・・・・・・になるはずだった。 6回表、城島さんにHRを浴びてしまったのだ。 その後、僕は狂い始めた。 7回表、ノ−アウト満塁の大ピンチになってしまった。 そんな状態でも監督は交代させない。 打席に立っているのはDHのボムさん。 真からサインが出る。 だが僕はそれを拒んだ。 何度もサインが出るが、僕はその度に首を横に振った。 太陽「主審、タイムお願いします。」 主審「タイム!!」 真と内野手の人達が僕に駆け寄ってきた。 太陽「翼、しっかりしろ!!」 月光「・・・・・・・・・・・」 太陽「いいか。この回絶対に俺達が守ってみせる。だから、最高のピッチングを見せてみろ!!」 月光「わ、分かったよ!!」 太陽「分かればいい。・・・・・ちょっといいか?」 月光「何だよ?」 太陽「月ってな、夜に光輝いているのは太陽の光が当たってるからなんだぜ。」 月光「・・・・・・・・・・」 太陽「つまり、俺達二人が組めば最強だって事。」 月光「ハハハ!!」 太陽「イキナリ笑うなよ!!いいだろ!!カッコイイ事言ってみてもさあ!!」 月光「真。」 太陽「何だ?」 月光「ありがとう。」 太陽「礼なら終わった後だ。」 そう言って、真は戻って行った。 僕は残りの力を振り絞って全力で投球した。 スピ−ドガンは155と出ている。 この試合最高のピッチングだった。 結局、この回は9連続ストライクで下位打線を抑えた。 9回裏 1対0で終わると誰もが思っただろう。 だが、信じられない事態が起きた。 矢部君が奇跡の逆転サヨナラホ−ムランを叩き出したのだ。 ベ−スを一周してきた主役は僕達に手荒い歓迎を受けた。 こうして僕は記念すべき初勝利を上げた。 真や矢部君がいなかったらこの勝利は無かっただろう。 その後、僕達三人は「球界の月と太陽とオタクトリオ」と呼ばれるようになった。 僕としては悪い気がしないが、矢部君は「なんでオイラはオタクなんでやんすか!?もっとカッコイイのがいいでやんす!!」 とか叫んでいた。 月と太陽は今日も仲がいい。