トキノハジマリ・オワリ(No.5作) 「よし、暇だから工作でもやるか!」 彼の名はゼウス。人類が主に使っている暦で数えると50000歳を超えているが、人間でいうと15歳程度の能力である。 そして彼にとっては凄くも無いがとてつもないことを始めようとしている。 上の説明からわかるように、彼は人間ではない。人間が後に伝える、「神」である。 彼は龍・人間・雲の形に体を変えることができる。なんともすごい能力だ。 しかも、人間の何百年という暦は彼にとって5分程度なのである。 地球の歴史などかれにとっては数日程度なのだ。 「さっさと取り組んで、早く完成させよう。」 竜のような体で、彼に比べればさほど大きくない粘土のような者で玉を作っている。 「ふぅ、細かくて大変だなぁ」 そう呟きながら、玉に飾りのようなものをつけていく。 それは後に人類が知る、地球であった。大陸の形は現在と比べると違っているところもある。 「大体完成したな。やったぁー!」 完成を祝す声を上げたあと、玉を浮かべた。 浮かべた後、一度つついた。玉に「重力」という力が入った。 何とも不思議な力を発しているが、ゼウスは他にも様々な種類の「星」を作り、重力を宿らせている。 しばらくたつと玉に生命が生まれた。さらにしばらくたち、それが動物になるころゼウスが人間の姿になった。 小さくなり、玉に降りていった。 そして猿に知恵を与えた。 「お前にはオイラと同じ喋り方と、二足での歩行法と、ある程度の知恵をやろう」 ゼウスの一人称は「オイラ」らしい。(←余談) 猿は成長を続け、やがて原始人となる。 そして人類が生まれた。 その人類が西暦を作り、技術を進め、数々の歴史を作りながら成長するのをゼウスは雲の姿になって観察した。 そして人類が宇宙開発をすすめ、宇宙に行ったときだった。 一人の日本人がゼウスの姿を見てしまった。 「ん?んんんんんんんんんん??????」 驚きの表情を隠せない人類の一人。 そして人類に姿を見せてしまったゼウス。 「ちっ。」 「それっ!!」 舌打ちのあと、ゼウスが人の肉眼には見えない光線で、ゼウスを見てしまった人を消した。 そして周りの人の記憶を消した。 「くそぅ。もはやこれまでか・・・。」 人間にその作り主であるゼウスの姿を見られてはたまったものではない。 「よし・・・。もうこの球は壊そう。新しいのを作ればいいや。」 そんなことを言うと、ゼウスは火を用意し始めた。 次の瞬間、ゼウスは地球をあぶり始めた。 しかし地球はすぐには燃え上がらなかった。 すぐには燃え上がらなくても、徐々に暖まっているようだ。 これが地球温暖化だろうか。 南極、北極の氷がとけ、海のかさが上がり、それが続いて人類とその他の動物が苦しんだ。 「コノヤロウ!なんでなかなか燃えないんだよ!」 ゼウスはイラつき、地球を蹴って見たり殴ってみたり、火力を強くしてみたりした。 地球では大地震や大津波などの被害が相次いだ。 そしてついに地球は―――