スマデラDE童話４　シンデレラ

ある所にファルコンという男が住んでいました。今日も仕事から帰ってきました。
ファルコン「ただいま。」
サムス「お帰りなさい。ちゃんと稼いできたでしょうね？」
ファルコン「ああ、大穴がきたぞ。明日はごちそうだな。」
そのファルコンの仕事というのはカジノだったのです。彼はいつも多く稼ぐことができるのです。彼にはサムスという妻がいました。
マルス「父上お帰りなさい！」
ロイ「今日もお疲れ様です。」
そしてマルスとロイという娘もいました。
ファルコン「おお、マルス、ロイ。出迎えありがとう。今日は紹介したい奴がいる。入れ。」
ファルコンは１人のみずぼらしい姿をした娘を連れていました。
ファルコン「こいつは今日からここに住むことになったリンクだ。」
リンク「よ、よろしく…お願い…します…。」
サムス「ふーん。とんだ厄介者ね。まっ、屋根裏部屋が残ってるからそこに入れときましょう。」
マルス「はーい、それじゃ私が案内しまーす！」
ロイ「母上。屋根裏部屋は誰も入ったことのない部屋です。きっと汚れていますよ。俺…いや私の部屋でよければ住ませてあげてほしいんですけど…。」
ほら、ロイ。言い間違いしない。
ロイ「しかたないだろ！女役なんてやりたくてやってるわけじゃないだから！」
こら、今は劇の真っ最中。地を出さない。
ロイ「わかった……わよ……。」
では劇に戻ります。
サムス「やめなさい。そんなことしてあなたが汚れたらどうするの？」
ロイ「ですが…。」
サムス「私はあなたを愛しく思っているのよ。ああ、なんてかわいい子なの。」
サムスはロイを抱きしめました。
……でも笑顔がひきつってますよ。それじゃだめだめ。
サムス「私こういうの苦手なの！」
…この人達と口論しても無駄みたいですね。はい、劇に戻って戻って。
ロイ「母上…こんなににも私のことを…。」
マルス「ロイばっかりずるい！」
サムス「あらごめんなさい。もちろんマルスもとっても愛しい我が子よ。」
マルス「母上…。大好きです！」
マルスはサムスに抱き着きました。
リンク（…なんて親バカな家庭なんだろう…。）
ファルコン「家族円満なのはわかったから早くこいつを部屋に案内してやりな。」
マルス「あ、はーい！じゃ、行こっかリンク。」
リンク「は、はい。」

リンクがファルコンの家に来て数日がたちました。
サムス「リンク！早くぞうきんがけやってちょうだい！」
リンク「は、はい！」
今日もリンクは朝から働いていました。
サムス「全く。あんたこれくらいテキパキできないの？」
リンク「す、すいません…。」
サムス「私は買い物に行ってくるからそれまでにぞうきんがけと洗濯とペットの餌やりしといてちょうだいね。」
リンク「は、はい…。」
サムスが出かけていった後でリンクは落ち込みました。
リンク「ああ、僕、いや私は不幸なの？」
おっ、名演技ですね。
リンク「女性の役やらされるなんて…恥ずかしいよ…。」
ちょっと、違うでしょ。
リンク「だって…うう…。」(T_T)
リンクは泣き出しました。
マルス「今日も頑張ってるね。」
リンク「あっ、マルスお兄さん。」
その時、長女のマルスがやってきました。彼、いや彼女はサムスが側にいなくなった後でやっと話しかけてくるのです。
マルス「うちの母上厳しいでしょ。僕もちょっとでも君に近づいたら近づくなってうるさいんだよ。でも物ぐさなだけだから許してあげてね。」(^_^)
リンク「は、はい！」
マルスはとても優しくリンクに対しても笑顔を振り撒くのでリンクはすごく癒されていくのです。ただ、
マルス「それにしても母上の言う通りリンクってトロいね〜。ぞうきんがけにそんな時間かかるなんて。前世カメだったんじゃないの？」
彼女は大変な毒舌家だったのでリンクはまた傷ついてしまうのでした。おまけに天然なため自分の言葉で相手を傷つけているとは夢にも思っていないのでした。
ロイ「マルス姉さん、あなたに言われたくないと思うわよ。」
その時、次女のロイがやってきました。
ロイ「マルス姉さんこそ食器洗いに２時間かかってるじゃない。リンク姉さん以上のおっとりさだよ。」
ロイはリンクが好きでよくリンクをかばっています。
マルス「それはロイがせっかちだからじゃないの？」
ロイ「私は言われるほどせっかちじゃないわ。それよりリンク姉さん、ちょっとだけ休憩しましょうよ。働きすぎは体の毒です。さ、いきましょう。」
ロイは半ば強引にリンクを自分の部屋に連れていきました。ロイはリンクに尽くしまくっているようです。リンクも幸せそうです。しかし、その幸せはロイの手製の食品が出されたとたん、消されてしまうのです。
ロイ「はい、リンク姉さん。お茶ですよ。」
リンク「えっ……あの…。」
リンクの顔はみるみるひきつっていきました。
リンク「わ、私…喉かわいて…ないから…。」
ロイ「えっ、いらないん…ですか…？」（・。；）
リンクが断ったとたん、ロイの目に涙が浮かんできました。
リンク「あ、飲むから飲むから…だから泣かないで…。」
自分の娘を泣かされたと知ったらファルコンとサムスの大目玉をくらわされるのは目に見えています。それにリンクはお人よしのため、誰かを泣かせたくなかったのです。
ロイ「そうですか、じゃあ私は代わりにぞうきんがけと洗濯やりますから後でファルコとマリオとヨッシーの餌やりはお願いしますね。」
そう言ってロイは部屋を後にしました。ファルコというのはロイの飼っている鳥、マリオはネズミ、ヨッシーはチビドラゴンのことです。
リンク「…い、いくよ…。」
リンクは勇気を出してロイのお茶を飲みました。そして、
リンク「…うっ、まずい…。吐きそ…。」
そうです、ロイの作るものはどれもこれもまずいのでした。しかもロイはそれを自覚していないので毎日リンクに手製の食べ物をだすのでした。
リンク「うう…。私…世界で１番不幸だわ…。」

今日もリンクは働かされていました。今日は久しぶりにファルコンが早く帰ってきました。
サムス「ええ、舞踏会！？」
ファルコン「そうさ、カジノで聞いたんだが城で舞踏会が開かれるらしい。何でもその城の王子は命を狙われているからそれを守り抜いた人をお嫁さんにするという噂もあるんだぞ。」
サムス「まあすごいじゃない。それならマルスやロイがお嫁になるかもしれないわね。剣術を習わせてるから。」
マルス「王子様と結婚かあ…。もうそれは私に決まりね。」
ロイ「マルス姉さん自信満々ね。」
マルス「当たり前じゃない。私より美しい女性がこの世にいるとでも言うのかしら？」
うわー、マルス女性になりきってますよ。こんなナルシスだったんですね。
ロイ「…王子様があなたを気にいるといいわね。」
マルス「もーロイったら決まりきったことを。王子様がこの世界一美人の私を気にいらないわけないじゃない。」
ああ、劇が終わったらマルスちゃんと男に戻ってくれるでしょうか？心配です。
サムス「まっ、いずれにせよ舞踏会に出ないわけにはいかないわ。マルス、ロイ。支度なさい。」
マルス＆ロイ「はーい！」
サムス「リンク、あんたは留守番しとくのよ。」
リンク「はい…。」

その夜、ファルコン達は舞踏会に出発しました。
ファルコン「みんな、行くぞ！」
サムス「はいはい。リンク、しっかり留守番しときなさいよ。」
マルス「私達リンクの分まで楽しんでくるから。」
ロイ「留守番するリンク姉さんも素敵です。」
リンク「い、いってらっしゃい…ませ…。」
４人とも思い思いの武器を手に舞踏会へ出発していきました。
リンク「…みんなあんなに楽しそう…。」
残されたリンクは悲しそうにしました。 
リンク「私も舞踏会に行きたいな…。お母様達は武器を持っていかれてましたから物騒なところなんでしょうけど…それでも行ってみたいわ…。」
するとヨッシーがリンクの目の前にやってきました。
リンク「ヨッシー君…。ありがとう、慰めてくれてるのね。そうだ、ヨッシー君やマリオ君やファルコ君の世話でもして気をまぎらわそう。」
リンクはヨッシーを抱いて他のペット達のいるロイの部屋に入りました。
マリオ「チューチュー！」
リンク「はいはい、今餌をあげるからね。」
リンクが餌をやろうとしたその時、
ボンッ
「えっと…テレポート魔法成功か…。」

部屋に現れた生物はリンクの姿を見ると、
？？？「あっ、失礼した。私は魔法使い見習いのミュウツーだ。今は１級昇格試験の真っ最中なんだ。この試験をパスすれば１人前の魔法使いになれるんだ。」
リンク「はあ…。試験って…どんなもの…なんですか？」
ミュウツー「この人間界で困っているやつを魔法で助けることさ。お前、困ってることはあるか？」
ミュウツーはずうずうしくもリンクに問い掛けました。
リンク「あ、あの…困ってることじゃないかもしれないけど、舞踏会に行きたいんですけどドレスがないんです…。」
ミュウツー「なんだ、そんなことか。簡単なことだ。それ！」
ボンッ
ミュウツーが魔法をかけるとあっという間にリンクはドレス姿になりました。
リンク「す、すごい。見習いっていってもすごいですね。」
ミュウツー「まあ今は２級の見習い魔法使いだからな。」
リンク「じ、じゃあ後…乗り物でもいただければ…。」
リンクはうれしさに少し調子にのりました。しかし、ミュウツーはそれを見抜けず、
ミュウツー「まだ困ってるのか。しかたない、なんでもいいから物を持ってこい。私は物の姿を変える魔法しか使えないんだ。」
リンク「え、物…？急に言われても…。」
リンクは慌てて（ロイの）部屋をがさごそあらしまわりました。
リンク「あのう…。人参しか…ありませんでした…。」
ミュウツー「なぜ普通の部屋に人参があるんだ。まあいい、それを使う、後その緑のカエルみたいな奴をこっちに…。」
リンク「ヨッシー君のこと？はい…。」
ミュウツー「じゃあいくぞ、それ！」
ボンッ
魔法をかけると人参が馬車に、ヨッシーが大きくなりました。
ヨッシー「あれ、ボク…成長してます！」
リンク「すごい、本当にすごい…。」
ミュウツー「こいつは馬車をひく馬の代わりだ。そしておまけだ。あそこの鳥とネズミを連れてこい。」
リンク「は、はい！」
リンクはファルコとマリオをかごから出しました。
ミュウツー「こいつらにはヨッシーとやらの手伝いでもさせな。それ！」
ボンッ
ファルコは人型に、マリオは人間になってしまいました。
ファルコ「おわっ、なんだこれは！」
マリオ「おー、俺リンクを同じ目線で見てるぞ！」
リンク「ファルコ君とマリオ君まで…。」
ミュウツー「さあ、これで助かったろ。舞踏会に行ってきな。ただし、私はまだ見習いだから魔法は１２時に効力を失う。それまでに帰るんだぞ。」
リンク「はい！いってきま…わっ！」
スッテン ガラガラ
リンクはなれないガラスの靴をはいていたため、つまづいて転んでしまいました。しかし、体が地面につく瞬間、
ミュウツー「ねんりき！」
リンクの体は空中で止まり、しばらくしてゆっくり着地しました。
ミュウツー「ガラスの靴は壊れやすいんだ。気をつけろ。」
なら最初からそんな靴はかせなきゃいいじゃないですか。
ミュウツー「お前は関わってくるな！」
リンク「あの〜、ねんりきなんて…あなた、エスパー？」
ミュウツー「私は魔法使い見習いだ！」
マリオ「そこまで強調しなくてもいいじゃん。」
リンク「あっ、そうだ。忘れ物忘れ物…。」
リンクはどこからか剣と弓矢とブーメランと爆弾を持ってきました。
リンク「準備完了！」
ミュウツー「…なんでそんな物が舞踏会に？」
ファルコ「普通の舞踏会じゃないから。」
ヨッシー「じゃ、いきましょう！」
リンク達は人参の馬車に乗って舞踏会に向かいました。
ミュウツー「…はあ、なぜかどっと疲れが…。まあいい、これで私は１人前の魔法使いだ。さっそく試験官のところに戻るか。」
ミュウツーはテレポートしました。

マリオ「ヨッシー急げ！舞踏会に間に合わないぞ！」
ヨッシー「わかってますよ。だけどお腹ペコペコなんですよ〜！」
ファルコ「世話になったリンクに恩返しするんだろ。そんなことでバテるなよ。」
ヨッシー、マリオ、ファルコはリンクのために必死に馬車を動かします。
リンク「みんな…そんなに焦らなくていいよ…。１２時までは…まだあるから…。」
マリオ「ところでリンク。舞踏会俺も参加していいか？」
リンク「もちろん…。ヨッシー君とファルコ君もね…。」
ファルコ「それを早く言え！ファルコビジョン連発！」
ファルコはものすごいスピードで走りだしました。
マリオ「わー、お前は限度を知らんのか、はやすぎる！」
ヨッシー「ファルコさんに言ってくださいよ〜！」
リンク「うわー！」
ファルコ「怖がるなリンク！」
リンク「おもしろ〜い！もっとスピード出して〜！」
実はリンクはスピード狂だったのです。速くなれば速くなるほど面白くてしかたないのです。
マリオ「なんでこんなのがおもしろいんだ！神経どうかしてるだろ。」
ヨッシー「そんなにはやいのがいいならボクも。ごろごろたまご！」
ヨッシーも卵に入って猛スピードを出しました。
リンク「すごいよ、いい気持ち！」
マリオ「こっちはいい迷惑だ！」
ヨッシーの背中に乗っていたマリオは今はヨッシーの卵に玉乗りする形になっていました。
マリオ「城よ〜早くみえてくれ〜！」
ファルコ「情けない奴だな。」
マリオ「わー、ファルコよそ見するな、まえ、まえ！」
目の前には大木がたっていました。
ファルコ「うわあ、急カーブ急カーブ！」
キキキキキキィッ！
馬車はなんとか大木の右側にそれ、衝突をさけられました。そのまま馬車は止まりました。
ファルコ「ゼーゼー、助かった…。」
マリオ「もういやじゃ、うごきたくない…。」
リンク「ヨッシー君、城まではあとどのくらいある？」
ヨッシー「えっと…予想通りだと目と鼻の先にあるんですけど…。」
ファルコ「どこにもないじゃんか。」
マリオ「まさか道を間違えたなんていわないよな？」
ヨッシー「おかしいですね〜。」

リンク達はついに舞踏会がある城を見つけました。
リンク「みんな早く行こう。」
ヨッシー「じゅる…。食べ物のニオイ…。やっと食べ物にありつけます〜！」
ヨッシーが１番に城に入りました。
マリオ「あっ、こらヨッシー待て！」
ファルコ「ヨッシーみたいな飼い主に隠れて俺達の餌を横取りする奴があそこに入って暴れたら…。」
リンク「えっ、ヨッシー君ってそんなことを…。」
「キャ―――！！」
その時、城の中から悲鳴が沸き起こりました。
マリオ「遅かった。急ぐぞ！」
ファルコ「言われなくてもわかってるって！」
３人は城の中に入りました。中は大パニックです。
「なんなの〜！食べ物を食い荒らす奴がいるわ〜！」
「わー！こっちもやられた〜！」
ヨッシー「おいしいです〜！」
マリオ「いた！」
ファルコ「捕まえろ！」
リンク達はヨッシーを捕まえ、口にしっかりガムテープをはりました。
マリオ「お騒がせしました〜！」
リンク「みなさんすいません…。」
ファルコン「全くそんな奴連れてくるなよな。」
サムス「本当ありえないわ。」
横からファルコン達の家族がにらんできました。
リンク（うわあ、お母様達だわ。どうか気づかれませんように。）
幸いリンクはファルコン達より遠い場所にいたため、顔は見られず正体はばれませんでした。
「みなさん、にぎやかにすごしているようですね。」
城の奥から王子の家臣がやってきました。
「みなさん今日は舞踏会におこしいただきありがとうございます。王子の家臣のシークです。」
「ペットのプリンプリ！」
来賓達「イエー！」
シーク「さて、みなさんそろそろ王子に登場していただきたいとお思いでしょう。」
プリン「でも王子しゃんはもうみなしゃんのまえにいるプリよ。」
するとみんなどこにいるんだ？とばかりに辺りを見回しました。
シーク「ただし、王子様は変装しておられます。お命を狙われているのでむやみに人に姿を見せられないのです。」
プリン「でも大丈夫プリ！自分のダンスの相手を見つけたらその人に正体をあかしてくれるプリ！」
マルス「よーし！王子様が正体をあかしてくれるよう頑張るぞ！」
ロイ「何を頑張ろうっていうのよ。それにしてもさっきのドラゴン意地汚かったわね。私のヨッシーとは大違いだわ。」
ロイはさっきごちそうを食べ散らかしたのは自分のヨッシーだと気づいていないようです。
リンク「王子様が…この中に…。」

舞踏会もそろそろ中盤にさしかかってきています。女性客は誰が王子か見極めようとしたり化粧直しをしたりする者が増えています。
ファルコ「しっかし女はそれほど王子とやらに選ばれたいのか？」
リンク「みんな玉の輿に…のりたいんだろうね…。」
ヨッシー「リンクさんはそんな人じゃありませんよね。」
リンク「…というより王子様が私なんか…選ばないと…思うわ…。」
自信がないリンクはすっかり暗くなってしまいました。
マリオ「わからないぞ。やる前からあきらめるなよ。」
リンク「でも…。」
ヨッシー「ボクは今のリンクさん素敵だと思いますよ。」
ファルコ「それに王子が顔だけで人を選ぶ奴ならとっとと帰った方がいいぞ。」
リンク「…。」
そんな会話をかわしていた時、
ドンッ
リンク「キャ！」
リンクの肩が誰かにぶつかりました。それはシークでした。
シーク「あ、すまないな。」
リンク「い、いえ、よそ見してたのは…こっちですから…。」
シーク「何かおわびでもしようか？」
リンク「そ、そんな…。王子様の家臣からお詫びなんて…。」
シーク「構わないさ。ほら、来な。」
シークがリンクの手をひいたその時、
リンク「！！危ない！」
シーク「！？」
リンクは知らないうちにシークを突き飛ばしていました。その瞬間、さっきまでシークのいた場所に矢が刺さっていました。
マリオ「なんだ？！」
「ハハハハハ！王子め！命をもらいにきたぞ！」
天井から声がしました。城の人達は全員上を見上げました。シャンデリアに大きな亀とその手下らしき連中大勢が立っていました。
？？？「我が名はクッパ！こんなパーティーなどつぶしてやる！ケガしたくなかったらさっさと逃げるんだな。我輩は…ぐわっ！」
ズガシャーン
台詞が終わらないうちにシャンデリアがきれ、クッパは手下もろとも下に落下してしまいました。
ファルコ「まあそうだな。あんなに乗って耐え切れるわけないだろうが。」
クッパ「ええい、手下ども、かかれ！」
プリン「プリ〜！敵がきたプリ〜！戦うすべのないお客様ははやめにひなんするプリ〜！」
プリンが必死に避難勧告を出しました。
マリオ「…なあ、クッパとかいうやつさー、あんなハデな登場しないでこっそり王子を殺った方がラクだと思うんだが…。」
ヨッシー「目立ちたがりやなんですね。」
クッパ「王子はどこだ！」
クッパと手下達は城をあらしまわりました。
客「キャー！」
武器を持っていない客達はそうそうに避難していきました。
ファルコン「きたな、全員戦闘準備はいいか？」
マルス「もちろんです。」
ロイ「いつでも戦えます！」
サムス「じゃあ私とファルコンはこっち、マルスとロイはあっちをお願いね。みんな行動開始！」
ファルコン一家は攻撃を始めました。
シーク「王子の命を狙う不届き者が現れたか。さっきは助けてくれてありがとう。さあ、君は逃げるんだ。」
リンク「い、いえ…。私も…戦えます…。」
マリオ「助太刀するぞ。」
ファルコ「あんな奴敵じゃない。魔法使いは武器までくれたからな。」
ヨッシー「リンクさんに恩返しをします！」

クッパ「王子はお前か？」
男客「ち、違います！」
クッパ「本当だな！」
男客「もちろんですよ…。」
クッパ「ふん。全く王子が変装してこの舞踏会に参加しているのはわかってるんだ。ここまでパーティーを荒らせば正体を現すと思うんだがなあ。」
クッパは王子を探しています。片っ端から男性客を調べているようです。
マリオ「あのやろう、王子が男に変装してると思ってるな。そうとは限らねーのに。」
ファルコ「おい、そんなこと言ってる間にきたぞ。」
すでに彼らのところにも手下が大勢来ています。
マリオ「平気だ。こいつらみんな弱いから。ミドルキック！」
バシッ バシバシッ
手下はあっさりやられていきました。
ファルコ「たばになってかかってきてもこの程度か。じゃ、俺も。フリップキック！」
ファルコも手下をやっつけていきます。
ヨッシー「ボクにもやらせてくださいよ。まうえずつき！」
ヨッシーも頑張ります。
シーク「鉄糸舞！」
リンク「ブーメラン！」
手下の数は大幅に減りました。
サムス「ドロップキック！」
一方こちらもバトルに集中しています。
ファルコン「おい、そういえばクッパとかいう親玉はどこへ行った？」
サムス「あ、あそこ！」
サムスの指差した先には、
ファルコン「どれどれ…あっ、大変だ！クッパが王子様のペットを襲ってる！」
ファルコンが大声で叫んだのでそれは城にいた全員に聞こえました。
シーク「なんだって！？」
ヨッシー「うわあ、今にもかみつきそうですよ！」
プリン「プリ〜！はなすプリ！」
クッパ「駄目だ、お前は人質だからな。王子、お前のペットがこんな目にあっても姿を現さんか？非道だな。」
シーク「…。」
リンク「シーク…さん…？」
シークの表情は怒りの色を見せていました。そしてクッパがプリンを殴りそうなしぐさをした時、
シーク「もうやめろ！王子はここにいる！」
クッパ「ここだと？どこだよ。」
すると、
ボンッ
シークが姿を変えました。それは、
プリン「ゼルダしゃん！」
ゼルダ「私がこの城の王子ゼルダです！」
リンク「ええ？！シークさんが…王子様…だったの？！。」

クッパ「ついに正体を現したな、ゼルダ王子！覚悟しろ！」
ゼルダ「ディンの炎！」
ボワッ
ゼルダの攻撃がクッパとプリンの間に当たりました。プリンはクッパから開放されました。
クッパ「このやろ、いきなり攻撃しやがって！スピニングシェル！」
クッパは回転してゼルダに突っ込んできました。
リンク「あ、危ない！」
すぐにリンクがゼルダの前に立ち、盾で防御しました。
ゼルダ「あ、また助けられてしまいましたね…。」
リンク「いえ……ああ！」
リンクの目にロイの真上の天井が落ちている光景が見えました。このままではロイはぺしゃんこです。
ロイ「キャー！」
マルス「ロイ！」
マルスが叫び、駆け寄りましたが間に合いません。
リンク「爆弾投げ！」
リンクは爆弾を落ちてくる天井に投げました。天井は壊れました。リンクは無意識にロイの元に駆け寄っていました。
リンク「だ、大…丈夫…です…か…？」
ロイ「さっ、さっきのはあなたが…。」（＊・〇・＊）
ロイの顔はみるみる赤くなっていきました。
マルス「ロイ、大丈夫？！」
マルスもやってきました。リンクはこれはやばいと感じました。
リンク（正体がばれちゃう…。）
マルス「あなたが助けてくれたんですね。ありがとうございます。」
リンク「ま、まあ…じゃあ…私は…これで…。」
早々に退散しようとしたリンクの背中に、
ロイ「あ、ちょっと…待ってください！」
リンク「ぎっくう！」
こわごわ振り替えると、
ロイ「かっ、かっこ…よかったです…！頑張って…ください！」
ロイはリンクにメロメロで判断力を失っていたおかげでリンクの正体を見抜けなかったようです。
マルス「なんだか私の知り合いに似てますけど彼女がここにいるわけありませんよね。じゃあお気をつけて〜！」
マルスも鈍感な性格のおかげで彼女がリンクだと気づけなかったようです。
リンク（よ、よかった…。気づいてないみたい…。）
リンクは２人に笑顔を見せ、歩きだしました。後ろからマルスとロイの会話が聞こえてきました。
マルス「ふふっ、ロイ。惚れたね。リンクにいいつけちゃうぞ。」
ロイ「や、やめてよ。リンクさんに嫌われるなんて嫌よ！」
リンク（相変わらずだなぁ、あの２人。）
リンクはゼルダのところに戻りました。
ゼルダ「…強いですね。」
リンク「あ、ありがとう…ございます…。」
マリオ「クッパは俺達が弱らしておいたから。」
ファルコ「プリンが１番戦ってたけどな。」
プリン「よくもプリリをひどい目にあわせたプリね！はたく！はたく！」
バシッ バシッ
クッパ「ひ〜！」
ゼルダ「もう僕達の勝ちは…決まりですね…。」
リンク「そう…ですか…。」
ゼルダ「それでは僕と…。」
キーンコーンカーンコーン
その時、１２時の鐘が鳴りました。…ってなんですか、この鐘の音は。
リンク「うそ、もう１２時！？まだ踊ってないのに…。」
ミュウツー『魔法は１２時に効力を失う。それまでに帰るんだぞ。』
彼女の脳裏にミュウツーの台詞がよみがえりました。
リンク「わ、私帰らないと！」
マリオ「早くここから出るんだ！」
ヨッシー「魔法がとけてしまいます！」
ファルコ「短い間の人型だったがいい経験になったぞ！」
リンク、マリオ、ヨッシー、ファルコは城を出ました。
ゼルダ「ちょっと待ってください！」
ゼルダは後を追って外に出ました。
ファルコ「何をもたもたしてるんだリンク！」
リンクだけみんなより一歩遅れています。
リンク「ご、ごめ…あ！」
ドテッ
リンクは転んでしまいました。その時、ガラスの靴が片方ぬげてしまいました。しかし、焦っていた彼女は気づくことなく走り去っていきました。
ゼルダ「待って…。」
ゼルダがやってきた時、リンク達はすでにいなくなっていましたが、ガラスの靴を見つけました。
ゼルダ「これは…あの人の…。」

数日後、いつものようにリンクは働いていました。
ファルコ「ピーチク、ピーチク！」
マリオ「チュー、チューチュー！」
ヨッシー「ウィッキー！」
ロイ「はーい、すぐ餌やるから待っててねー！」
ファルコ、マリオ、ヨッシーもロイのペットに戻っています。
「すいませーん！」
ファルコン「おーい、客だぞー！」
マルス「はーい、私出まーす！」
やってきたのはあの城の王子達でした。
ドンキー「オレは王子の使用人ドンキーとそのなかまたちウホ！」
プリン「ゼルダ王子しゃんがこの前ぶとーかいであった人と結婚したいらしいプリ。で、その人はこのガラスのくつをはけた人らしいプリ〜。」
ゼルダ「ですから女性の方にこの靴をはいていただきたいのです。」
マルス「本当ですか？じゃあ早速。」
マルスがいち早く靴をはきましたが、
マルス「あ、あれ？入らない…。」
ゼルダ「それでは次にいきましょう。」
マルス「あっさりした人だなぁ。王子様って。」
ロイ「では次は私が…。」
今度はロイがはきました。すると、
ロイ「あれ？入った！」
靴はすっぽりとはいりました。
ドンキー「おお、はいったウホ！」
プリン「じゃああなたが…。」
ゼルダ「お待ちください。よく見てください。ぶかぶかではありませんか。」
そう、靴はロイには大きすぎたのです。
ゼルダ「あの舞踏会でのあの人の華麗な戦いはぶかぶかの靴ではできません。そうではありませんか？」
プリン「う〜ん。そうかも…。」
その様子をリンクは遠くから見ていました。
ドンキー「おっ、あそこにも女がいるウホ。」
プリン「そこの人もはくプリ！」
マルス「え、彼女のはずはありませんよ。舞踏会には行ってないはずですから。」
サムス「そうそう、あの人はいいんです。」
みんなはそう言いましたが、
ゼルダ「いえ、全ての女性にこれをはいてもらわなければ気がすみません。そこの方もはいてください。」
ゼルダがリンクの方を見て言いました。
リンク「えっ？わ、私…ですか？」
ドンキー「さ、さっさとはくウホ！」
ドンキーはリンクにガラスの靴をつきつけました。
リンク「は、は、はい！」
リンクはつりこまれるようにガラスの靴に足を入れました。
リンク「あ！」
プリン「はいったプリ！」
ファルコン「なに！」
サムス「ええ！」
ゼルダ「ではあなたが、あの時の…。」
プリン「お城へ来るプリ！」
そしてリンクはお城に呼ばれてやってきました。
クッパ「お帰りなさいませ、王子様。」
リンク「あ、あなたはあの時の…。」
プリン「あの人は今ではすっかりこのお城の使用人プリ。」
リンク「そうなんですか…。あれ？」
マリオ「チューチュー！」
ヨッシー「ウィッキー！」
ファルコ「ピチチチチ！」
なんとマリオ達がついてきていたのです。
リンク「ええっ、いつの間についてきたの？！」
マリオ「チュッ、チュー！」
マリオ達は何かいいたげにしていました。
リンク「えっ、何？」
ミュウツー「お前と暮らしたいって言ってるんだよ。」
リンク「あっ、魔法使いさん！」
ミュウツー「私の名はミュウツーだ。まあいい。このたびはお前のおかげで試験に合格して一人前の魔法使いになれたんだ。これはその礼だ。それっ！」
ボンッ
マリオ達が再び大きくなりました。
ミュウツー「今度は１２時になっても魔法は解けないぞ。」
マリオ「じゃあ俺は今度こそ本当に人間になれたんだな！」
ヨッシー「わーい、うれしいですー！」
ファルコ「やっぱりこっちの方がらしいな。」
リンク「でも後でロイさんに伝えておかないとね。マリオ君達は私が引き取るって。」
ヨッシー「というわけでボクらふつつか者ですがよろしくお願いします！」
ゼルダ「こちらこそ。」
そしてリンクとゼルダは結婚して幸せに暮らしました。そんな城内の悩みはというと…。
マリオ「おかわり！」
ヨッシー「全然たりませんよ。もっと持ってきてください。」
クッパ「は、はい〜。」
ファルコ「おーい、もっといい銃ないのか？」
ドンキー「ぶっそうウホね。」
あの３人のおかげでこの城の出費がかなりあがってしまったのでした。
プリン「ねーねー、あの人達わがままプリね〜。」
リンク「ご、ごめんなさい…。」
ゼルダ「まあまあ。楽しいからいいじゃないですか。」
プリン「そのおかげでこっちがガマンするはめになったのに…。」
リンク「ごめんなさいごめんなさい…。」
そしてせっかく城に来てもリンクの振り回される生活は変わらないようです。