スマデラDE童話 ヘンゼルとグレーテル(シュン作) ある森の近くの小屋に家族が住んでいました。父親、母親、兄、妹とも幸せに暮らしていましたが、やがて母親が亡くなってしまいました。兄妹は悲しみに暮れていましたが、その内に父親のルイージが新しい母親ピーチを連れてきました。 ルイージ「さあポポ、ナナ。もう泣かなくていいよ。新しいお母さんを連れて来たからね。」 ピーチ「はじめまして、2人とも。新しいお母さんのピーチよ。さあ、リンくん。挨拶しなさい。」(^_^) ピーチは子供を1人連れていました。 リンくん「はじめまして、オレはこのピーチの息子のリンクだ。まあリンとでも呼んでくれ。」 ポポ「リンさん初めまして、ポポです…。こっちは妹のナナです…。」 ナナ「よ、よろしく…お願い…します…。」 ピーチ「リンくん、新しいお父さんとも仲良くしなさいよ。それからポポくんとナナちゃんもそんなに緊張しなくてもいいのよ。これからよろしくね。」 こうしてまま母とポポ達の生活が始まりました。しかし、その生活は決して楽なものではありませんでした。 ピーチ「さあさ、ポポ、ナナ、リンくん、とっとと家の掃除をしなさい。」 リンくん「わー!」 ピーチ「その次は洗濯!」 リンくん「ひーん。」 ピーチ「そして草むしりよ!」 リンくん「うひゃ〜、ボーボーじゃん!」 3人は家の手伝いばかりやらされることになりました。ただ、それに苦しんでいるのはリンくんだけのようです。 ポポ「楽しいなー!」 リンくん「えええ、お前達こんな重労働が楽しいのか?」 ナナ「誰かの役に立つこと…私達の生きがい…です…。」 リンくん「信じられない…。」 ポポ「リンさん、お母さんは注文が多いですね。」 リンくん「ああ、昔っから加減ってものを知らないからその気がなくても人に重労働をさせるんだよ。」 ポポ「そうなんですか。でもそれでお父さんとお母さんのお役に立てるならいいよね、ナナ。」 ナナ「うん。」 リンくん「なあ、今思ったけどなんで2人はオレにそんなに他人行儀なんだ?腹違いでもオレ達は家族だろ?」 リンくんはポポとナナが自分を兄弟と見てくれていないのではないかと心配なようです。 リンくん「敬語が地…じゃないよな。互いと話す時は普通にしゃべってるから。」 ポポ「えっ、僕達そんなに他人行儀ですか?」 リンくん「敬語使ってる時点でそうだよ。」 ポポ「そうか…ごめん、そんなつもりはなかったんだけどナナ以外には敬語使ってたからね…。」 ナナ「私も…同じ…。これからは…敬語…使わないように心がけるね…。」 子供リンク「あ、ああ…。(この2人もその気はなかったか…。なんだかなあ。)」 その夜、リンくんはベットで考え事をしていました。 リンくん(明日もまた母さんに振り回されるんだろうなあ…。あ〜、もうこんな生活嫌だ〜!家出した〜い!でも1人じゃ怖いから…。) リンくんはぐっすり寝ているポポとナナを見ました。 リンくん(こいつらにもきてもらうか。だけどこういうのはタイミングが大事なんだ。家出はチャンスをうかがってやろう。ふふふ、その時が楽しみだな…。) ピーチ「さー、みんな起きなさーい!朝よ!」 ポポ達はピーチの声にたたき起こされ、パンひとかけらというひもじい朝食を食べました。 リンくん「ねえ、おかわりは?」 ピーチ「何言ってるの。それで1食分よ。さ、食べ終わったら1時間休憩してその後家事しなさいよ。」 リンくん「はあ…。」 ポポ「わかりました!」 ナナ「頑張り…ます…。」 やはりやる気満々のポポとナナをよそにリンくんはため息をつきました。 リンくん(はあ、本当にこんなことで家出できるかな…?いや、弱気になってちゃだめだ。機会が来るのを辛抱して待とう。) そして夜になりました。テンポが早過ぎるんじゃないかと考えている人、物語に集中してください、そんなこと考えるだけ時間の無駄です。 ルイージ「ああ、どうすればいいんだ…。どうやって家族を養っていけばいいんだ…。もう食料が残り少ないのに食料を手に入れるあてがない…。」 ルイージとピーチは考えこんでいました。この家はとても貧乏だったのです。 ピーチ「じゃあこうしない?子供達3人を森に置いてきてしまうの。そうすれば3人分の食料がうくでしょ。」 ルイージ「だ、だけど子供達はどうするんだ?」 ピーチ「大丈夫よ。森の中探せば食べ物の1つや2つくらい簡単に見つかるわ。子供は大人と違っていろんなものをすぐに探り当てられるものよ。」 ルイージ「だけどなぁ…。」 ピーチ「大丈夫だってば。明日、森に連れていってうまいこと言って置いていきましょ。」 この会話は3人ともしっかり聞いていました。 ナナ「どうしよう…。私達…捨てられるの…?」 ポポ「平気だよ、きっと神様が守ってくれるよ…。」 そんな2人の会話を聞きながらリンくんは考えていました。 リンくん(母さん…どういう神経してるんだ?ああいうことが普通に言えるなんて。でもこれはチャンスだ。家出できるじゃん。こんな家からおさらばできるぞ!) リンくんだけは心の中で大喜びをしました。 ポポ「よし、僕に任せて。」 そんな中、ポポはこっそり家の外に出ました。そして落ちていた小石をいくつも拾いました。 リンくん「ポポのやつ何してるんだ?」 ナナ「さあ…。」 翌朝、ポポ達は今日もピーチに起こされました。 ピーチ「さあさあ、早く起きなさい、今日は森に行くわよ!」 リンくん「はあい!」(^▽^) 今日はリンくんだけがやけにうれしそうにしています。そしてナナは心配そうにしていました。 ポポ「ナナ、大丈夫だからね。」 そこへポポがフォローします。 リンくん(ポポの奴何考えてるんだ?まさか家出する計画を邪魔する作戦じゃあないだろうなあ。) リンくんはポポが何かするのではないかと思ってヒヤヒヤしていました。 ルイージ「よし、出発だ。」 5人は森に出かけていきました。ポポは他の4人と距離をとって歩いていました。 ピーチ「ポポ、何してるの?さっきから後ろばかり見てるじゃない。」 ポポ「えっ、えっと…それは…い、家の上にいるナスさんにさよならを言ってるんです。」 ピーチ以外(はあ?!) ポポは石を巻いていることがばれないようにとっさに嘘をついたのですが、誰が聞いても嘘とわかる内容です。ポポ、ナスよりネコとかの方がよかったんじゃないですか?いや、そうでもなかったようです。 ピーチ「そう。ナスがうちにいるなら後でご飯のおかずにしましょう。久々のごちそうになるわ。」 ピーチは真顔でそんなことを言いました。あっさりポポの言うことに納得したようです。 ピーチ以外(単純…。) みんなしらーっとした顔でピーチを見ていました。 森の奥まできたとき、たき火をしました。 ルイージ「ファイヤボール!」 ピーチ「まあ、緑の炎なんかあったかそうに見えなかったけど意外にあったかいじゃない。」 ルイージ「炎の色なんか関係ないんだ。」 ピーチ「じゃあポポとナナとリンくんはここで待ってて。私達はもっと奥で薪とかを集めてくるから。」 2人はそう言って家に帰ってしまいました。3人は取り残されました。 ナナ「私達…とうとう…捨てられたのね…。」 リンくん「まあまあ、そんなに落ち込むなよ。」 肩を落とすナナを励ましながらリンくんは内心ほくそ笑んでいました。 ポポ「2人とも、夜を待とう。」 リンくん&ナナ「え?」 ポポ「僕に任せて。」 ポポの冷静な様子にリンくんは戸惑いました。 リンくん(ポポの奴何を考えてるんだ?まさか家に戻る方法を見つけたのか?まさか。そんな、はずないよな…。) 夜が来ました。空には月が輝いています。 ポポ「さあ2人とも行こう。」 リンくん「行く?行くってどこに?」 ポポ「家だよ。」 ナナ「どうやって?」 ポポ「まあついてきてよ。」 リンくんはそれを聞いてやっぱりと思いました。 リンくん(ポポはどうやって家に帰ろうってんだ?表情からして帰るあてがありそうだし…。) ポポは家に帰れると確信しているようです。 ポポ「ほら、見て。僕が出かけにまいた白い石が月明かりで光ってるよ。これをたどれば家に帰れるよ。」 ナナ「ポポすごい…。」 リンくん「よ、よく思いついたな、こんな方法。」 リンくんはポポに感心するとともに家出失敗の悔しさを感じました。 そして悔しさはピーチも感じました。何しろ置いてきた子供達が戻ってきてしまったのですから。 ピーチ「もう!近頃の子は森の楽しさがわかってないんだから。」 ルイージ「っていうか普通森になんかずっといたがらないと思うけど…。」 ピーチ「あら、何か言ったかしら?」 ルイージ「いえ、何も…。」 ピーチに嫌われたくないルイージはピーチに服従されていました。 ピーチ「明日はもっと遠くまで連れていきましょう。にしても…ポポが言ってたナスはなかったわね…。どこかに逃げちゃったのかしら。」 その会話もっとやはりポポ達に聞こえていました。ポポはまた石を拾いに行こうとしましたが、部屋のドアと窓に鍵をかけられ、外に出られません。 ナナ「明日は本当に捨てられるのね…。」 ポポ「大丈夫だよ。神様がお守りくださるから。」 リンくん「でも本当にお前達の父さんは母さんに尽くす奴だなぁ。言いなりじゃんか。」 ポポ「そうだよね…。よっぽどお義母さんが好きなんだね…。」 そんな会話をしながらリンくんは、 リンくん(これで今度こそ家出ができるぞ。母さんに夜は全部のドアと窓に鍵かけるように入れ知恵しといてよかった。これで昨日の作戦は使えない。) ピーチ「ほら、ポポ、ナナ、リンくん。起きなさい!今日も森に行くわよ!」 翌日、ピーチはまたポポ達を森に連れていきました。石を拾えなかったポポはピーチからもらった食料のパンをちぎって後ろに巻いていきました。 リンくん(石の次はパンかよ。だけどこれなら。) リンくんはこっそり合図をしました。そして馬を呼び出したのです。 リンくん「エポナ。森の影に隠れてろ。それでパンくずを食べろ。絶対見つかるんじゃないぞ。」 リンくんは小声でエポナという馬に語りかけました。 ピーチ「リンくん。何してるの?行くわよ。」 もちろんこんな行動がばれないはずがなく、ピーチに指摘されました。 リンくん「あっ、はーい!」 ピーチ「全く。昨日はポポで今日はリンくんなの。あそこで何してたの?」 リンくん「えっと、あの―、その…。」 リンくんは焦りました。 リンくん「い、家の屋根の馬にさよならを言ってたんだよ。」 それを聞いたピーチ以外の人達の目が点になりました。 ルイージ(ポポの次はリンくんかい。) ナナ(ちょっとポポより現実味はあるけど…。) ポポ(馬は屋根に登れないよ…。) どうやらリンくんもポポと同レベルのようです。 リンくん「うるさーい!ほっとけーい!」 ナナ「リンくん…。誰に話しかけてるの…?」 そしてピーチとルイージはまた薪を取りに行くと言って3人を残し帰ってしまいました。 ポポ「2人とも大丈夫。パンくずをまいたからそれをたどっていけばいいよ。」 ナナ「うん…。」 しかしパンくずはエポナがすでに全て食べてしまった後だったので3人は道に迷ってしまいました。全てリンくんの計画通りでした。 リンくん(やっと家出ができた…。だけどどうしたんだろう。胸がちくちくする…。えーい、関係ない!今は家出の喜びを楽しむぞ!) リンくんは何かが前と変わっているようです。 ナナ「真っ暗になっちゃったよ…。」 ポポ「どうしよう…。あっ!」 その時、ポポが何かを見つけたようです。 ポポ「2人とも見て!家があるよ!」 ナナ「ほんと?」 リンくん「どれどれ。…えっ。」 なんとその家はおから(豆腐を作る時に出る残りかす)でできていたのです。ドアも屋根もおからです。 ポポ「おいしそう。食べてみようよ。」 ナナ「えっ…?勝手に食べて…いいの…?」 リンくん「ちょっと指摘する面が違うんじゃないのか?こんなおからなんて腐ってるって。」 ポポ「大丈夫。それに2人もお腹減ってるでしょ?」 リンくん「そんなわけないだろ!」 グー その時、ナナとリンくんのお腹が鳴りました。 ポポ「お腹は正直だよ。くすくす。」 ナナ「……。(*´_` *)」 2人ともここはおとなしくおからを食べることにしました。 3人「いただきまーす!」 3人はおからの家にかぶりつきました。そして、 ポポ「うっ…。」 ナナ「……。(>_<)」 リンくん「あっ…。」 やっぱり3人ともお腹を壊してしまった…。 3人「…おいしい!」 っておいしいんかい!まぎらわしいことすな! ポポ「だって本当においしいんだよ。」 ナナ「これ…おからじゃなくてビスケット…。」 リンくん「これはお菓子の家だったんだ!わーい!」 あらら、3人とももう夢中ですね。でもそろそろ事件が起きますよ。 「オレノ家ヲ食ベテイルノハ誰ダ?」 お菓子の家から薄っぺらい人が出て来たのです。 ポポ「うわあ、窓はアメちゃんでできてるよ。」 リンくん「オレにも食わしてくれよ。」 しかし、3人とも全く気づいていないようで平気で食べています。 ???「オ前達ダネ?家ヲ食ベテイルノハ?」 ナナ「こっちは…チョコだ…。」 どんなに話し掛けても3人は気づきません。…このままでは話が進まない。しかたない。 …………………………お菓子の家の住人が来てるぞ!!いい加減気づけ――――!!!!(超パワフルボイス) ポポ「うわ!なんだ!?」 ナナ「耳鳴りが…。」 リンくん「あっ、そこに誰かの影が!…でも姿が見えない…。」 ???「コレガ本体ダ!オレハ平面ナノ!ココハオレノ家ダ!」 ポポ「あっ、そうでしたか、すみません。お家を少しかじってしまいました。」 ???「イインダヨ。オレハMr.ゲーム&ウォッチ。ゲームウォッチトヨンデクレ。サア今日ハモウ遅イ。ウチノべっとデ寝ナサイ。」 リンくん「うわあ、気前がいいなあ。ありがとう!」 3人はお言葉に甘え、柔らかいベットで寝させてもらいました。しかし、ゲームウォッチは実は悪い魔法使いだったのです。 ゲームウォッチ「クックックッ。オイシソウナ子ドモガ3人モ手ニ入ッタゾ。サア、明日ガ楽シミダ。クックックッ、アッハッハッ。ギャ―――ハハ!コラ、誰ダ、オレヲクスグルノハ。」 あっ、ごめんなさい。あなたみたいな平面な人でも神経入ってるのか気になって。 ゲームウォッチ「アマリ話ニ関ワッテコナイデホシイナ。」 翌日、ポポとリンくんは牢屋に入れられ、ナナはゲームウォッチにこき使われることになってしまいました。 ゲームウォッチ「サアサ2人トモゴハンダヨ。ドンドン食ベテ太ルンダゾ。ソノ方ガ食ベゴタエガアルカラネ。」 ゲームウォッチはポポとリンくんを太らせて食べるつもりのようです。2人は悲しみに沈んでいました。特にリンくんの絶望感は尋常ではありません。 リンくん(オレはただ限度を知らず使いっぱしりさせる母さんから離れたかっただけなのに…。こんなことになるなんて…。こんなことになるなら家出なんか考えるんじゃなかった…。) ポポ「リンくん、どうしたの?そんなに落ち込んで。」 リンくん「ポポ…。オレ達もう出られないで食べられちゃうのかな…?」 ポポ「そんなことないよ。出られるよ。」 リンくん「わからないよ。何回も試したけど牢屋のカギは開かなかったし、油ギトギトの食べ物ばかり食べさせられるし。」 ポポ「ナナがいるよ。きっとナナが何とかしてくれるよ。」 リンくん「あんな臆病で内気な子が?」 ポポ「ナナを甘く見ちゃダメだよ。ああ見えて気丈で頭の回転が早いからきっといい考えを考えてくれるから。」 リンくん「そうかな…?」 ポポ「それに弱気になってたら神様はお助けくれないよ。大丈夫。出られる。出られるよ。」 一生懸命慰めてくれるポポにリンくんは涙を浮かべました。親に捨てられまいとがんばったポポの努力をムダにさせた自分がふがいなく感じたのです。そして同時にホームシックになってしまったのでした。 リンくん「……うっ、うっ…。(:_;)」 考えれば考えるほどリンくんの悲しみは増えていくのでした。ついにリンくんはポポに抱き着き、号泣してしまいました。 ポポ「リンくん…。」 ポポはそんなリンくんを優しく抱きしめ返しました。牢屋にはリンくんの泣き声だけが響きました。 その泣き声を聞きながらナナはゲームウォッチにマッサージをさせられていました。 ナナ(ポポ、リンくん…。やっぱり牢屋の中は辛いんだね…。待ってて。いつかきっとチャンスを見つけて助けてあげるから…。) ナナはそう心に誓いました。 ゲームウォッチ「なな。次ハ背中ヲカイテクレ。」 ナナ「あの…。あなたの…背中…どこですか…?」 ゲームウォッチ「アレカラモウ数日カ。ソロソロアノ2人モ太ッテキタコロダロウ。」 ゲームウォッチ「ぽぽニりんクン。手ヲ出シナサイ。太ッタカドウカ確カメタインダ。オレハ目ガヨクナイカラソウシナイトワカラナインダ。」 ゲームウォッチは手をさしだしてきました。 リンくん「あんなこと言われて素直に手を出す奴があるか。」 ポポ「でもそうしないと出て行ってくれなさそうだし…。」 リンくん「どうしようか…。」 ゲームウォッチ「何ヲシテイル。早ク出セ。出ス気ガナイナラコウダ。」 ゲームウォッチは無理やり牢屋から手を入れ、腕を掴もうとしました。そして、掴みました。ポポの、男にしかついてないアソコを。 ポポ「あ〜!どこ触ってるんですか〜。離してください〜!」 ゲームウォッチ「ナンダ、マダコンナニ小サイジャナイカ。コレジャモウ片方モダメダナ。」 リンくん「まあまだ子供だし小さくて当然だよな。」 ポポ「えーん。」 ポポは深く傷つきましたが、ゲームウォッチはあきらめて帰っていきました。 ゲームウォッチ(ウウ、オレハ早クアノ子達ヲ食ベタクテシカタナイノニ…。コウナッタラななヲ先ニ食ベテシマオウ。) ゲームウォッチはナナをかまどで焼いて食べようとしました。 一方ナナはゲームウォッチのいない隙にかまどの火をたいまつにつけて家を焼いて脱出しようとしていました。もちろん後でポポ達も助けるつもりです。 ナナ(あの人が帰ってくる前に…なんとしても脱出しないと…。) ゲームウォッチ「なな、チョットオ願イガ…何シテルンダ!?」 ナナ(ああ、見つかっちゃった!) その時、ゲームウォッチがやってきてしまいました。ナナは焦って弁解が出来ず怯えています。 ゲームウォッチ「何ヲシヨウトシタンダイ?言ッテゴランヨ。」 ナナの様子にゲームウォッチはナナを押し、限界まで来たところでナナをつかまえ、かまどに入れようと考えました。 ナナ(このままじゃ…ポポとリンくんが助けられない…。) ゲームウォッチ「マアイイ。チョットコイ!」 ゲームウォッチはナナにとびかかってきました。ナナはそれをかわし、ゲームウォッチの目の前に扉の開いたかまどがあるのを見ると側にあったハンマーを取り、 ナナ「えい!」 バキッッ!! ゲームウォッチを後ろから叩いてかまどの中に入れ、カギをかけました。 ゲームウォッチ「ギャアア――!熱イ!」 中からゲームウォッチの叫び声がしましたが、ナナはそんなものは聞いていません。ポポとリンくんのいる牢屋まで行くと牢屋をハンマーで壊し、2人を助け出しました。そして途中で宝を見つけ、それを持てるだけ持ちました。 ポポ「2人とも!脱出するよ!」 ナナ&リンくん「うん!」 ポポはドアを開けて外に出ました。ナナも出ました。しかし、 リンくん「うわあ!」 ポポ「リンくん!」 なんとリンくんは足をかまどから出た腕に掴まれてしまったのです。ゲームウォッチは最後の力でリンくんを道連れにしようとしているようです。 ナナ「リンくん…!」 ポポ「今助けるよ!」 その言葉を聞いてリンくんはうれしく思いましたが、口から出たのは全然違う言葉でした。 リンくん「来るな!オレに構わず行け!」 ポポ「リンくん?!」 ポポ「そんな!君をおいていくなんてできないよ!」 リンくん「助けようとして2人も捕まったらどうするんだ!」 ポポ「でも…。」 リンくん「それにこれはオレの当然の報いなんだ。」 ポポ「え?どういうこと?」 リンくん「石が拾えないように母さんにドアにカギをかけとくよう言ったのも道にまいたパンくずを撤去しちまったのもオレなんだ!家出したくてつい…。」 リンくんは自分のしたことをポポとナナに告白しました。 ポポ「そんな…。」 リンくん「だからもう行ってくれ!だけど2人のこと…大好きだったぞ…。」 ポポ「リンくん…。」 ナナ「……い…やだ…。」 その時、ずっと黙っていたナナがつぶやきました。 ポポ「ナナ…。」 リンくん「どうしてだよ!オレのせいでこんなことになったのに!」 リンくんの声にびくっとしましたが、負けずに勇気を振り絞り、 ナナ「…だって…、私達は…家族…。」 そこまで言った時、ナナの勇気が尽きたのか顔を赤くし、うつむいて黙ってしまいました。しかし、ポポの心を動かすには十分だったようです。 ポポ「そうだよ!僕達は家族だって言ったのはリンくんじゃない!リンくんがどんなひどいことをしたって家族ってことに変わりないよ!帰ろうよ、3人で!」 リンくん「ポポ、ナナ…。くっ!このやろう!離せ!オレは帰るんだ!」 リンくんはついにポポ達と帰ることを決意したようです。持っていた剣で振り放そうとします。 ポポ「リンくん!ナナ、リンくんを助けよう!」 ナナ「うん!」 ポポもハンマーを持ってリンくんを助けに向かいました。 ポポ「リンくんには傷1つつけさせない!」 リンくん「ポポ、ナナ!」 ポポ&ナナ「クイ打ち!!」 バコンッ ポポとナナはリンくんごと足を掴んでいた腕を攻撃しました。 リンくん「うわ〜!おもいっきり傷つけてるじゃんか〜!」 何はともあれリンくんは開放されました。 ポポ「今のうちに早く!」 3人はドアまで走りました。しかし、ドアが開きません。 ナナ「さっきは開いたのに…。」 リンくん「あの魔法使いの仕業だな。しつこい奴め。今度はオレの番だ!2人とも離れてろ!」 リンくんは剣を構え、 リンくん「回転斬り!」 ビシビシビシビシビシィ!! ドアは壊れ、ついに3人は外に出られました。 リンくん「やったー!外だ!」 ポポ「3人で掴んだ勝利だよ!」 ナナ「じゃあ…帰ろう、2人とも…。」 無事に脱出できたのはよかった3人ですが、今度は道に迷ってしまいました。 リンくん「ちくしょう、このままだと全員おだぶつだ。」 ポポ「すみませーん、誰かいませんかー!」 リンくん「そんな都合よく誰かいるわけ…。」 「はーい!」 ところがポポの声に答える者がありました。 リンくん「うそ!マジにいた!」 「さっき呼んでいたのはお前達か?」 そこへ猟師らしき人とその子供らしき人が駆け付けてきました。 ポポ「はい、道に迷ってしまったんです。助けてください。」 猟師「俺はガノンドロフという猟師だが…。道に迷ったのか…。出口まで連れていってやりたいが…。まだ獲物をとっていないんだ。それなしでは帰れないんだ…。」 子供「お父さん、それじゃあ僕がこの人達を出口まで案内するよ。」 ガノンドロフ「そうか、ネス。頼んだぞ。それからこの猟犬のフォックスと猟鼠のピカチュウとピチューも連れていけ。こいつらは前にこの森にいたんだ。きっとこの森をよく知ってるぞ。」 ネス「うん。よし、フォックス、ピカチュウ、ピチュー。いくよ。」 こうして3人はネス達に案内されることになりました。 ネス「フォックス、次はこっちだよね。」 フォックス「ああ。ここを抜ければもうすぐ出られるぞ。」 ナナ「よかった…。」 ピチュー「ねーねー、ところで3人は兄弟なの〜?」 ピチューが無邪気に聞いてきました。 ピカチュウ「こらピチュー!そういうことはむやみに聞かない!」 ポポ「いいんですよ。僕らは兄弟です。そしてかけがえのない家族です。」 リンくん「そうさ、オレ達は大事な家族さ!」 3人はにっこりしました。 フォックス「しあわせそうだな。」 ナナ「はい。」 ピチュー「わ〜、なかよさそう〜!」 ピカチュウ「兄弟っていいね。」 ネス「そうだね。僕は1人っ子だから兄弟がうらやましいんだ。きっと幸せになれるよ、3人とも。」 ポポ「ありがとうございます!」 そして3人は無事に外に出られ、家にたどりつきました。 ポポ「お父さん、お母さん!」 ルイージ「ポポ、ナナ、リンくん!」 ナナ「会いたかった…。」 ルイージはうれしそうにしています。ピーチもそうです。 ピーチ「やっぱりどんなに貧乏でも家族一緒が1番ね。反省しました。」 リンくん「母さん、母さん…!」 リンくんはピーチの顔を見たとたん、うれしくなって泣き叫びました。 リンくん「母さん、大好きだ!家出なんかもうしないから!」 ピーチ「当たり前でしょ、もう。」 やっと家族は1つになれたようです。 そして、3人の持ってきた宝で家は豊かになり、家族みんな幸せに…。 ピーチ「さあポポ、ナナ、リンくん。トイレ掃除よ!」 リンくん「ひーん。」 ピーチ「それが終わったらぞうきんがけに洗濯にお使いに…。」 どうやらピーチの加減のなさは相変わらずのようです。3人をこき使っています。 ポポ「はーい!」 ナナ「今日も…がんばります…。」 やっぱりポポとナナは楽しそうにしています。リンくんだけが辛そうにしているのです。 リンくん「うう、やっぱり前言撤回…しようかな…?もう…こんな生活…こんな生活…嫌だ―――!!!」 そんなこと言って。魔法使いのところではホームシックになってたくせに。 リンくん「お前は黙れ――――!!!!」 ポポ「リンくん誰に話しかけてるのかな?」 ナナ「さあ……。」 そんなリンくんはさておき、ポポ達の生活はこれからどうなるのでしょうか?それはまた別の話。