りょうた作 それぞれの道第二章 10月1日 沖縄スピヤーズの本拠地沖縄ベースボールパーク 沖縄スピヤーズVS湘南パドレス この二つのチームは1位2位を争ってる。 1位はパドレスだが、2位のスピヤーズとの差はわずかに0.05だ。 ここで勝てばスピヤーズの逆転優勝が決まる。 万が一負けたらパドレスの優勝が決まる。 因みに他のチームは今日は試合がない。 この話の主人公村上俊平は練習をこなし、ミーティングに入った。 監督はこう言う、 「良いな、大事な試合だぞ。これに勝たないともう優勝はないんだ。だからみんな全力で尽くすんだ!」 「ハイッ!」 それが終わると試合が始まった。 ウグイス嬢「1番ライト、村上。」 ピッチャーはアンダースローからの速球を武器にする秦さんだ。 一球目:「ん!?」 「なんだこれ、かなり浮くなー。」 それでやっぱりストライク。 二球目:「まただ。さっきと同じとこ狙ってるはずなのに全然場所が違う。」 これもストライク。 さいごは速球を投げ、打ったが凡退。 他の選手もその浮くボールは打てなかった。 ここは秦選手の心の中 「へっへっへ、俺が開発したホップナックルは誰でも打てないぞ。へっへっへ。」 さて、現実に戻ろう。 5回まで完全な投手戦だった。 秦選手もスピヤーズのエース春日さんもともに一度もランナーを出していない。 しかしピンチが訪れる。 6回にショートの宗さんがエラーすると、次の打者がヒットを打ちノーアウト一塁三塁、バッターは秦さんだ。 一球目「こつん。」 春日さんはホームに投げるしかしホームイン。 スピヤーズ遂に1点を失ってしまった。 それからは7回までどちらの投手共に無安打。 秦選手は初の完全試合を射程に入れた。 ナインは殆どがあきらめかけていた。 8回バッターは春日さんだ。 一球目「カンッ」 ようやくの初ヒット。そのあたりは二塁打だ。 監督からこう言われた、 「とにかく打て!」 一球目:あのホップナックルだ「ズバーン」 ストライク 二球目:「ズバーン」 これもストライク 三球目 秦「ははっもう怖いのか?」 俺「なんのー。」 そして「キンッ」 「ワー!!」 入った。ホームランだ!逆転だ! 秦「そ、そんなルーキーに逆転打たれるなんて・・・・。」 俺「そうやっていい気に乗るからですよ。」 そして九回表 簡単にツーアウト。 3人目のバッターとなった。 一球目:カッター「ズバーン」「ストライク!」 二球目:シュート「ストライク!」 三球目:ストレート:「ズバーン」 このときスピードガンには160Km/hと表示された。 「ストライクバッターアウト!ゲームセット!」 やった遂に優勝だ! スピヤーズナインは嬉しさを剥き出しにし、 パドレスナインは悔しさをあらわにした。 リーグ戦が終わった。優勝したスピヤーズナインはビールかけも終わり、全員帰路についた。その頃こんなことがあった。 〜NPB会議(今年のタイトル)〜 議長「皆さんどうします?今年の新人王。」 候補の選手 村上俊平(沖縄スピヤーズ)外野手 山口直人(東京マックスフェニックス)投手 田中亮(福岡ブラットウインズ)捕手 横田肇(神戸アストロズ)投手 西嶋浩太郎(東京ラインズ)内野手 一同「難しいな・・・・。」 委員A「絞るとしたら、村上、山口、西嶋の三人ですね。村上は盗塁王争いに参加していましたし、西嶋はその守備の上手さは皆さん知っていますし、山口は12勝を挙げてますから。」 一同「議長決めてください。」 議長「少し待ってください。」 数分後 議長「決めました。」 一同「誰ですか?」 議長「村上俊平選手です。」 委員B「決めた理由というのは?」 議長「なぜかというと、西嶋は守備は上手いですが、タイトル争いに参加している訳でもないですし、山口は投手十傑に入っているので微妙なのですが、盗塁のリーグ1位の坂口と一個差と言うことなのでそちらにしました。」 俺がこの事を知ったのは深夜だった。 妙に今日は眠れないので、テレビを見ることにした。 ちょうどスポーツコーナーの時間だった。 アナウンサー「たった今入った情報です。プロ野球のタイトルが決まりました。(割愛)そして今年の新人王はカリーグは沖縄スピヤーズの村上俊平選手です。」 このことにはビックリした。 メールが来た。 直人からだった 「新人王おめでとう。俺も候補だったけど、お前にはかなわなかったな。日本シリーズ頑張れよ。」 この瞬間ハッとした。 「そうかそうだな頑張らなくちゃ。」 新たに俺は意気込むのだった。 日本シリーズ第一戦 相手は東京ラインズだ。 この時俺はなんと無安打。 試合も4-0で負けた。 第二戦 この時俺は4打数4安打したが、試合は5-2で破れた。 第三戦 この日も4打数4安打したが、試合は6-0。 遂に王手がかかってしまった。 第四戦 第四戦ここでラインズが勝てば優勝になってしまう。 絶対に負けられない一戦だ。 ここからは詳しく書いていく。 俺の一打席目 ピッチャーは俺の高校時代のライバル、藤田龍だ。 一球目:ストレートだ。「速すぎ!」 「ストライク。」 二球目:またもストレート「キンッ」 しかしボテボテのサードゴロ。 「チッ。」 「高校の時からあんなに速かったっけ?」 藤田はストレートとカーブしか覚えていない。 現在もそうだ。あいつはキャンプの時にストレートとカーブしか磨いていないだろう。   二打席目もヒットが打てずに終わった。 今のところ0-1さっきうちらが先取点を入れた。 またもやピンチが起こる。まず連続四球を与えると、次はヒット。 ノーアウト満塁でバッターは四番打者だ。 一球目:「キンッ」 打った打球は伸びる伸びるどうだ!? 入ったホームラン。 そう何もかもが終わった。 この後頭が真っ白だった。 そんな間にも9回は終わり、試合は終了した。 ラインズの優勝が決まった。 日本シリーズも終わり、遂にドラフト会議が始まった。 「スピヤーズドラフト1位 垣内 純 海星高校。」 そして俺は後輩を迎えることができた・・・・。 太作 久遠の夢 〜全日本編外伝〜 ここは帝王実業。 そこに一人の投手がいた。名を「友沢 亮」。速いストレートと切れるスライダーを武器としていた。 しかし彼は怪我を負った。 彼は一人の投手に託した。 名は「久遠(くおん) ヒカル」。 友沢は決め球のスライダーを彼に徹底的に教えた。 そして久遠は彼を超えるスライダーを手にした。 足が速く守備も上手かった友沢は遊撃手となった。 しかし彼はケガのことを久遠に教えなかった。 「俺はもう投げない」そう残しただけだった。 久遠は言った。 「なぜ僕と戦ってくれないんです!あなたは勝負を逃げるんですか!」 友沢は「あのころの帝王にとって,俺は遊撃手,お前は投手となるのが最強のオーダーだった」とだけ言い残した。 彼の背中からは,心残りがあることを感じさせられた。 それから数年が経った。 猪狩ドームで,オリンピック日本代表が練習をしている。金メダルをかけたアメリカ戦を明日に控えている。そのため皆気合が入っている。そしてそこには,あの二人がいた。 久遠はまだあのことが気になっていた。 (僕はあの人がメンバーだったから代表を引き受けた。いつかきっと,辞めた理由を聞くんだ!) そう思いながら一生懸命に投げ込んでいた。 いや,なりすぎていた。 「久遠,危ない!」 「え?」 ゴッ ボールが当たった。 頭を直撃。 「なぜ!なぜ教えてくれないんです!」 「俺はもう投げない。ただぞれだけだ。」 「どうして!聞かせてください!」 夢を見ていた。 あのときの夢を。 ガバッ! 「ここは・・・?」 「病院さ。きみの頭にボールが当たってそのまま気絶したからね。」 彼は小波。初日に出会って意気投合した久遠の友達。 このことがあってからこの二人は親友となる。 ただこれは本題じゃない。 そのあとが本題だ。 久遠のなかで何かが吹っ切れた。 決心した久遠は友沢のところへ向かった。 「友沢さん!」 「久遠!もう大丈夫なのか?」 「そんなことどうでも良い。あなたが投 「わかっている。」 言い切らないうちに友沢は始めた。 「おそらくこのタイミングを逃したらもう言えないだろうからな。 アメリカ戦が終わったら忙しくなる。話してやろう。俺は・・・」 一呼吸置いてから言った。 「怪我したんだ。」 呆然とする久遠。 無理もない。 教えられていたころ,そんなところは微塵も感じさせなかった。 「ひじに爆弾を抱えてしまった。手術で何とかなったものの,遊撃手になってしまってから時間がたってしまった。だからお前にすべて託した。」 「ゲームセット!猪狩・久遠の二枚看板でカイザース優勝!今日の勝利投手久遠,友沢選手と抱き合って喜んでいます!」 その後二人はカイザースに入団,優勝の立役者となる。 久遠には夢がある。 「いつか友沢に認められ,投手時代の友沢を超える」という夢が。 そのためだろうか。 今も友沢は,久遠だけの投手コーチだ。