本塁を守れ:+鷹神+作 俺の名前は、東凰迅(とうおう じん)だ、野球の名門高校ガンダー高校で、2年生ながらも、捕手をやらせてもらっている。 これから、書く物語は、炎天下の中の甲子園で起きたちっぽけな1ページにしか過ぎないのである・・・ 東凰「ここが、甲子園かぁ!」 相楽「でっけぇな〜!」 東凰「ヨッシャ、気合入れて、勝ち取り行こうゼ、相楽!」 相楽「おぅ」 甲子園に着いた、俺と相楽は、満面の笑みではしゃいでいた。 監督「おい!東凰、相楽、集まれ〜!」 東凰「あ!すんませ〜ん!!」 監督「初戦の帝光学院だが、東京トップの実力だ!」 宗高「ウゲェ・・、そんなチームに勝てるのかよ・・」 監督「よし!お前ら!勝ちを取りに行くぞ!負けなんていらない」 東凰「ヨッシャ!!」 相楽「いよいよ、乗り込むんだな!」 東凰「おう!なんか、ワクワクすらなぁ♪」 相楽「お前は、レギュラーだからいいよなぁ・・」 東凰「おまえだって、代打あるかもよ〜♪」 相楽「無理だっつの・・・」 東凰「お前の守備力は、監督も認めてるみたいだし。」 相楽「守備だけね・・」 東凰「うっわ!」 相楽「ん?」 俺たちの目の前には、広々としたグラウンドが広がっていた 東凰「スッゲーナー!!」 相楽は、大はしゃぎで、ベンチへ向かう 監督「よーし、みんな!ベンチ前に集まれ〜!」 部員16名が、あっという間に集まる 監督「今日のオーダーを発表する。」 東凰「どうせ、俺はレギュラーだしなー」 監督が次々と読み上げていく・・・ 1番 ニ 宗高(2年 弾2 DCDBA) 2番 右 相楽(2年 弾1 EEDCA) 3番 捕 東凰(2年 弾4 DBBAA) 4番 中 君島(3年 弾4 AACDD) 5番 一 佐藤(3年 弾4 FBFEE) 6番 三 遠藤(3年 弾3 GCCCC) 7番 左 杉 (2年 弾2 EDEDE) 8番 遊 道春(2年 弾2 DFDFF) 9番 投 比奈太(3年 Hスラ7 Sスラ7 スタB コンE) 相楽「ウッソー!俺がスタメンだよ!」 ポン! 俺は、相楽の肩に手をおいた 東凰「しっかりヤレよ!万能右翼手さん!」 相楽「お・・おう!!」 相楽は、うれしそうに返事した そして・・いよいよ、試合が始まろうとしたのだ・・・ 監督「よし!いってこい!」 君島(主将)「いくぞー!」 部員「おう!」 ダダダダダダダ! 最高のスピードで、ホームベース真横に整列する 部員「お願いします!お願いします!」 ものすごく大きい声が甲子園球場内に飛びわたる そしていっせいに先行の俺達は、ベンチにもどる ウウウウウウウウウウウウウウウウ・・・・・・ 宗高「・・・打つぞ!!」 東凰「おお!これが名物の甲子園ウーウーか!」 相楽「なんだよソレ・・・」 試合は3回に大きなうごきを見せた・・ それまで、0−0だったのが、帝光学院に0−5と1回に5点取られてしまったのだ・・・ 東凰「クッソォォォォ!!!」 4回表、俺は怒りを押さえ込みながら打席に立った・・ 帝光のエースピッチャー、桐山 三太が剛速球を放つ・・・ ビシュ・・・ 東凰「ち・・・」 俺は、当てなきゃ話にならないと思い・・バットを力の限り振った ブルン! ズッバーン!! スコアボードを、見てみると150キロと浮かび上がってきた 東凰「この試合最速じゃんかよ・・・」 俺は、自分の情けなさにおもわず愚痴を溢してしまった・・・ 相楽「がんばれーーー!」 相楽がベンチから励ます・・・ 二球目が、桐山のワインドアップモーションが放たれる・・・ ビシュ 東凰「キタ・・・」 カキーン! 桐山「!」 俺はセンター前に打った・・・ 相楽「やったじゃん!中前ヒット!!」 その後先輩達がヒットをうち俺は本塁にギリギリで突っ込みセーフになり、1点を返す・・・ 回は進み7回裏・・・5−3と2点差リードする 捕手の俺は、比奈太先輩をリードする・・ しかし・・・打たれに、打たれランナーを1塁3塁に溜めてしまったのだ・・・・ 比奈太先輩が俺をマウンドに呼び寄せる・・・ タタタタタタタ・・・ 東凰「なんでしょうか?」 比奈太「1塁3塁だが気にするな、お前は最高の捕手だ」 東凰「え!!!」 比奈太「ま、気にするなってことだ!」 東凰「はい!!!」 審判が大きな声でプレイという・・ 東凰「この打者は、帝光学院の4番、桐山 純だ」 そう、桐山三太の弟だ・・・・ 比奈太「よし・・・」 ビシュ 比奈太先輩独特のサイドスローから140キロ級のHスライダーが放たれる・・・ カキン! 俺は、その音を聞いた瞬間本塁に立ち上がった・・・ そのあたりは、ライト相楽をギリギリ越えるあたりだ・・・ ランナー1人が帰ってくるこれで、4−5だとおもってるやいなや1塁ランナーが3塁に走ろうとする・・ 相楽「畜生!!!」 相楽が二塁手、宗高に中継する・・・ そして宗高が渾身の送球・・ 宗高「でぃやぁぁぁっぁ!!」 ビシュウウウ!! 東凰「1塁ランナーが・・ちぃ・・」 バシ! 東凰「よし!俺のかちだぁぁ!!」 ダダダダダダダダッダ! ドカ!! 東凰「ぐっ!」 甲子園球場が静まり返る・・・ 東凰「ハハハ・・俺の勝ちだ・・・・」 倒れてた俺は、そういった後に意識を失った・・・ 猛スピードで救急車で運ばれていった・・・ 俺の意識はよくなり、病院で入院している 入院した次の日。 主将と監督と相楽がお見舞いに来てくれた・・・ 相楽「大丈夫か!?」 監督「あれは、ひどく打ったな・・・」 君島主将「ちゃんと寝てろよ。」 東凰「はいはい!わかってますよ!」 グ! 東凰「いた・・」 相楽「ハハハハ・・・本当に安静にしろよ。」 監督「全くだ、ま、お大事にな!!」 君島主将「じゃぁな!明日も来るから!」 入院して2日目に俺は、急に容態が悪くなり手術室に運ばれた・・ 部員全員が手術室の前でざわめいていた。 そして何時間待っただろう・・・ 手術室の扉が開き医者が出てきた・・ 東凰の親が先生に大急ぎで近寄る・・ 母「息子は・・息子は・・」 医者は首を振った・・・ それまでざわついていた部員全員が静まり返った・・・ 監督「嘘だろ・・東凰が・・・東凰がぁぁぁぁ!?」 医者「東凰君が最後に・・本塁を守ってくれと・・・」 相楽「・・・ううぅ・・・」 みんなは、一晩中泣きじゃくったのである・・・ そして13日・・お盆には部員全員が甲子園で優勝したトロフィーを東凰の墓場にそっと優しくおいたのだった・・・ 本塁を全力で守りきったプレイヤー東凰の伝説は、今でも ガンダー高校にのこっている・・・