早熟ベイビー:ゆうすけ作 なにかが心に引っかかる・・・1つ1つは些細な事だが・・・ どうにも出来ない感じ、 納得できない感じ、 一言で片付ければそれはストレスと言うものだろう。 それを払拭するのには呑む事も、あるいはいい薬であろう。 ガラにもなく居酒屋に行く。 ・・・! 見なれない客がいる・・・って客なのか? そこに居て呑んだくれているのは、 体重が2000グラムあるかないかの赤ん坊だった。 さらに愕いた事に、臍の緒が付いたままだ。 いや、付いたままって言うか、 どこかにのびている、 店の外まで伸びているようだ。 目で追っているうちに踏んでしまった。 「痛ーな!気を付けろ!こちとら臍の緒を絞められたら窒息じゃ〜!」 いきなりの赤ん坊の罵声に驚愕する私。 「すまん」と軽く謝って店の隅に行き、居酒屋のママに聞いてみる。 「いったいあれは何なんだ?」 ママも困った顔して答える 「いまどきの早熟な子は生まれる前からああやって表に出てきては呑んだりするんですってよ。まったく親の顔が見たいわ」 その時、居酒屋の扉が開いて中年女性が入って来た。 そして赤ん坊に向かって怒鳴る 「まったくもう!また勝手に表に出て呑んだくれてんだから!そんなに表に出たいんだったら出産しちゃったっていいのよ!」 どうやら母親らしい、 なにしろ臍の緒が彼女の股間に繋がっているし。 赤ん坊は狼狽して呟く 「まだ・・・まだ早いよ・・まだ生まれたくないよ・・ごめんよママ」 そして母親の胎内へと帰って行くのだった。 母親が溜息をついて言う 「まったくもう、親離れができない子ね!」